05日 3月 2012 「乳母車」について 乳母車 私は、これまで殆んど遠くへ行こうとはしなかった。 この真っ直ぐに続く道に、乳母車を押す母親を見かけたが、 それでさえ私の家からほんの1キロも満たない場所での出来事なのだ。 母親のその帽子が、春の明るい太陽に照らされて、眩しく光を放っているので、 私は少し目がくらみ、町の名前も番地さえも忘れてしまった。 私は、その時、どこか遠くを旅していたのだ。 tagPlaceholderカテゴリ: